カリモード

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ヴィパッサナー瞑想合宿体験記

■ヴィパッサナー合宿まとめ


噂のヴィパッサナー瞑想に行ってきた。
10日間誰とも喋らず目を合わせるなど一切のコミュニケーションを禁止され、携帯などの電子機器を絶ち、酒・タバコ・音楽・異性との接触も断ち、ひたすら瞑想する日々を送ると言う面白い瞑想合宿だ。
ちなみにヴィーガン対応食事付で宿泊も一切無料。


新規女性の予約は応募開始から3分で定員が埋まるため、私は3回目にやっと予約でき、
大体他の参加者も少なくとも3度は応募して、行きたいと思ってから数年たってからようやく来れているようだった。

 


■合宿を終えて


いく前は宗教?怪しい?本当に大丈夫なんだろうか?と疑っていたが、行ってよかったと思う。


私が受けた実益としては、昔から不眠気味だった寝つきが劇的に良くなり眠れるようになった事。
第2に心が冷静になり、穏やかになった。
第3に色々な気づきがあったこと。


10日間デジタルデトックスしたら、本心では携帯を体が嫌がっていたのに気がつき、できるだけ持ちたくなくなった。

 


■本当に無料なのか


どうせ寄付しろオーラ全開の講話とか聞かされたり寄付しないといけない雰囲気で集金に回ってきたりしするんでしょ?と疑っていたが、本当に自発的に払いにくる場合だけ寄付を受け付けるという他の宗教やスピリチュアルでは無い方式だったので驚いた。
本当にタダから受けられる。
元はインドのものなので、基準がインド。
受けた人それぞれその人に見合った寄附をしてねと言うスタイルだった。

 


■宗教?
人によって判断が分かれるところだと思う。
この瞑想法は感覚を感じることを瞑想としており、肌に触れる空気、布の感触、暑さ寒さ、振動、痛いか快適か、痒みがあるかないかなど全ての感覚を意識して認識することが瞑想とされているため、
瞑想の実践自体には宗教的要素はないと思う。


ただ、講話で死後や輪廻転生について若干言及しているので、そこは少し宗教感を感じる。


私の感覚としては、「若干宗教」
イメージとしては伝統的なヨガ。ヨガも理論面では宗教的だったかなと思うので。
ヨガは今、宗教色を排除した「商品・サービス」になってしまったが、この瞑想も多分商品になる前のヨガのようなものなのだと思う。

 


■環境
千葉の場合は最寄駅は茂原
そこからバスで移動して、バス停には送迎の車がくる。
施設の周りは畑や水田、山と、長野と同じような環境が広がっていた。
長野と違うのは、キョンらしき生き物がたまに鳴いていたこと。


熟練の先輩の話だと、京都と千葉は全然生徒の雰囲気が違い、京都はぐいぐい聞いてくる人が多く(関西のノリ?)、千葉は大人な人が多いとのこと。


今回グループ瞑想もとても静かで、時間に遅れるような人もいなくてみんな非常に優秀だったらしい。
普段はもっとうるさくする人がいたりするみたい。
また、私が泊まった新しい人だけのドミトリー宿舎もみんな気遣い上手で寝ている時間もすごく静かに出入りしたり音を立てなかったりうるさいいびきなどもなく、耳栓も使う機会がなくめちゃくちゃ快適快眠だった。
だが古い生徒用のドミトリー宿舎の方は違ったようで、1時間ごとに出入りしてうるさく音を立て、叫んだりアラームが夜中に鳴りまくったりする人がいるという試練の日々だったらしい。汗(マネージャーに相談できます)


一緒になった人たちについては、本当に運だとおもう。汗


また、4月は気候にとても恵まれていて、蚊も気になる程おらず、蛇も他の動物の被害もなく、穏やかであたたかく(寒い時は寒いけど)空は青く星は綺麗で緑が芽吹いて野花が綺麗だった。


休憩時間は暇なので施設の散歩コースをゆっくり歩く。(都内でこんなにゆっくり歩いてる人たち見たことない!)そしてたんぽぽが朝から午後にだけ開いていることに気がついた。(今まで全然気が付かなかった……!)
現代人はこんな近くのものにも観察できないほど、毎日忙しすぎるんだなと思う。豊かさってなんだろう。


5月以降になると、暑くて蛇や虫の被害が盛んになるらしかった。


■やりたいと思ってる人へ

体感したところこれは、「修行」でした。
この瞑想法はただただひたすらに今起こっている現実を見つめ、体への変化を通して自分の心のありのままを見つめるものです。
不思議なパワーとか未知の現象を求める事などは特にありません。
僧や尼さん体験ができる、比較的ストイックかつ、極めて穏やかな日常。


10日間やり切ることができるかが最重要で、
やり切ることができなければマイナス、やり切ることができればプラスになるとおもう。
そのため、もう何がなんでも自分は絶対に10日間やり切るまで帰らないという強い決断が必須。


瞑想の実践面は実益になることしかないが、講話での理論面は同意しかねることや疑念、疑問などはそれなりに出てくると思う。私はそうだった。
わからないところや違うと思うところはおいておいて、自分の役に立つと思うところだけ取り入れるのが良いと思う。


ヴィパッサナー瞑想は自力の習得が困難に感じたのでこの講習は必須だと思う。


鬱などの精神病は軽度など、薬を飲まないでokな段階から参加できるとのこと。

 


■個人的な日々の追憶

合宿は10日間と前後+1日の準備期間で
合計12日。


以下はトランス状態の話や霊的な話や妄想が入ってくるのでそれに拒否反応を持たない人だけ読んでほしい。

ちなみにヴィパッサナーではトランス状態については別に起こることもあるけど特に気にするなというスタンスで、心霊についても触れていないし妄想についてもやめろ、そして他の瞑想法を混ぜるなと言っているので、その辺は本当に超個人的なものです。

 


・初日
初日は17時くらいから受付とオリエンテーションがはじまる。


施設までは最寄りのバス停から送迎が出るが、歩いてる人もいた。
合宿中はあまり運動出来ないので、道がわかるなら歩いていく方がいいかもしれない。


オリエンテーションではこの合宿のルールなどの説明がされ、
繰り返し10日間いることができなければここで帰りましょうと言われ、強い意志を確認される。


初日から数日は全般的にあまり説明がなくて何が何だかわからないままタイムスケジュールが過ぎていくことになる。


・3日目まで
最初の3日間はアーナパーナという、ヴィパッサナー瞑想に向けて呼吸を観察する瞑想を行う。
ここで1人か2人が脱落。


目を瞑って座り、瞑想しようとすると心は過去や未来、妄想や不安を彷徨っていまうのをまずはすぐに気がつき、呼吸を観察する瞑想に戻るトレーニングをする。
普段から瞑想はあまりしていないので足が痛くなりみんなすぐに組替えたりしていた。


瞑想自体は、自分の場合は
最初から心がそこまで妄想に漂う訳ではなかったので比較的簡単だった。


数分過去や不満に心を奪われたり、絵や言葉などのインスピレーションを受けたり(普段からある)、ふと気になる友人が思い浮かんだりなどした。


不眠なのと新しい場所ということで1、2日目は全然眠れず、
2日目から生理になり、しめたとおもった。
(生理中はどちらにせよ何も出来ないので瞑想で有効活用できると思ったので。)


夜インスピレーションがあり、シカのスカルを使ったアートが思い浮かぶ。
これを作ってみたいと決意するのだった。


3日目にトランス状態に入った。
左半身だけ。笑
右半身の方は普段から痛みや違和感を感じていたので、それが原因かもしれない。
半身解放状態になり、半身は普通という中途半端な状態。
トランスに入った時に座り方が変わったので何か別の意志が体に入ってきたと思った。(ベテランの瞑想者かと思った)別段嫌な心地はしなかったので、その型を尊重した。


ご飯の時間、嫌いで飲まない牛乳に手が出た。そして更に今までとらなかったレモン、ジンジャー、砂糖を入れてかき混ぜる。

うまい!!!
初めて飲む味だったがその時はおしゃれなカフェにいるような心地だった。
多分入ってきたものが教えてくれたんだと思う。以後、その飲み物をちょいちょい作るようになる。


3日目になってくると、さすがに慣れてくる。
瞑想も一辺倒だと退屈なので、自分なりに息抜きとして体の違和感や痛い部分に意識を向け、そこの痛みが溶解していくようなイメージなどもして効果を得られた。

※ヴィパッサナーではそういう他の瞑想法とか混ぜたり勝手にやってはいけないと言われるが退屈なので


1日目の雑念は
嫌な過去を思い出したり、嫌いな人への不平不満だったが2日目、3日目と徐々に安らかな気持ちになってくる。
どうして相手はそう言うこと言うんだろう?心に不平不満と嫌悪憎悪恐れがあるからなんじゃないだろうか。助けてあげたいな、そんな気持ちになってくる。


そして気がつく。
こころは、自分を守るためにあれやこれやと過去や未来を彷徨い、自分を守ろうとしてるんだ。
自分の中に不満を持つひとは、その憎悪や怒り、憎しみや不安や恐れが口に出て、周りの人もそうなるようにしてしまうのだ。次の日と講話でも同じような解説をされた。

 


・4〜5日目
ついにアーナパーナの瞑想は終わり、ヴィパッサナーを教えてもらうことになる。


ここから壮絶な痛みとのバトルが始まる。


ヴィパッサナー瞑想のグループ瞑想では新たに、決意の瞑想と呼ばれる 体を動かしてはいけないという制限が課せられる。


これが大変苦しいもので、私も何があっても絶対に全てやり遂げて帰ると強く強く決意してきたのに、もうダメかもしれない、途中で帰ろうかな…と思ってしまったほどだった。
1日に3回もこんなことあるの?耐えられるのだろうか……


初めてのヴィパッサナー決意の瞑想では、
痛みに汗だくで頭も痛く耐えて耐えてなんとか耐え……られなくて限界がきて動かしてしまったが、後で分かったのは全く動かしてはいけないわけではなく、大きく動かしたり伸びしたり足を組み替えたりしてはいけない、という範囲だった。


ここでわかったのは
痛みに注目すれば苦痛は10倍以上にも増すということ。
逆に注目しなければ痛みは力を失い、痛みはあっても注目するよりも何倍も早く消えていく。
ヴィパッサナーでいうアニッチャー、全ては無常であると言うこと。


講話は詰め込みすぎで覚えられないことが出てくる。


この日脱落者が出るだろうと思っていたが、脱落者はいなかった。


痛みや苦しみさえも今しか体験できない貴重な人生の中の貴重な財産なのだときがつく。

 


・6ー7日目
ヴィパッサナー瞑想では体の一部分での感覚を順番に認識していく。
そのため私は予習として休み時間には体にボディローションを塗りながら部分部分の感覚を確かめつつ、瞑想で思い描きやすいようにしていた。シャワー中などもマッサージ。


また個人の瞑想の時間にはイメージで体の一部分ずつ感覚をスキャンするため触れて行くようなイメージを行ってみた。そうすると本当に感覚を感じて喜び。


瞑想の時間、やはり一辺倒な瞑想ばかりだと飽きるので別のイメージを用いたりしていた。
今回は憑依されて体から黒いモヤが出ているとして、それを無くすイメージをした。
大体のところをなくなれ!消えろ!と念じると黒いモヤは消えてなくなるのだが、消えない部分があった。右側の以前から違和感を感じている部分に何か茶色いもののイメージを感じたため、それを引き剥がすイメージをする。
結構癒着していて、格闘すると頭が痛くなり、そして一瞬、焦げ臭いような臭いがした。長い時間格闘し、やがて頭痛も消え、腕に深く根を張っていた茶色が取れるイメージが得られた。


ヴィパッサナー瞑想、決意の瞑想にも慣れてきた。
最初は痛みがある部分に意識をすごく持っていかれて苦しんでいたのに、今では痛みがあっても無視して次の部位に集中して感覚をとれるようになっていた。(注目しなければ痛みも早く感じ無くなっていく。)
足の痛みもそこまでではなくなってきた。まぁまぁうまくいってたんではないだろうか。


自分の生きる意味を考え、インスピレーションを受ける。
善悪常識は関係ない。己の道を進め。プレイヤーを信じて、人生を贄とし、地を守り、人に教えろ。
そのために今までの人脈全て全力で出し惜しみなく使え。
繰り返し昔良くしてもらった人が思い浮かぶ。この人の力を借りろってことか。確実に地を固めろってことだろう。

 


・8ー9日目
修行の日々。


8日目、またトランス状態に入る。
瞑想ホールで集団瞑想中、体から徐々に自分が抜けて行ってしまう。
上に垂直に抜け出るならいい?のだがその時は前方にくるくる丸まって出るような形だったのでつんのめって前に転びそうな感覚加減だったので、迷惑をかけてはいけない!と思い下半身で転げないように踏ん張りながら、半分出たくらいでうす目を開け、出るのを止める。
出た部分に関してはものすごい空気圧を感じる。海底にいて水圧で押されているようだ。四方八方から押されて人間の形をとどめている感じ。
3日目はこれがなくて、自分と空間の境目が無くなってしまった感覚だった。この空間のこの辺が私、というような。
上半身が2倍に伸びた感覚でつんのめり、下半身は体にそのまま入った状態でキープ。
5分以上か10分か、しばらくするとちゃんと通常状態に戻った。


講話は相変わらず詰め込みすぎな内容で、全然覚えられない。
メモ取らないと覚えられないレベルだけど、メモを取ることは許されていない。
体の中に流れを感じて〜などといわれるが、それについては感じられず、ついていけなくなってくる。


講話では今まで訳のわからないままやらされていたことに対する解説が次々もらえるようになってくる。


確か9日目のお昼、寝瞑想をしながら半分起きて半分寝ているような状態に入った。自由時間になりみんなのガサガサする音を聞く。目も開ける。心はとてもとても深い平静さを持っており、まさに明鏡止水だった。その自分を観察し、呼吸を真似することでまたその状態を再現しようと思い、アーナパーナでするように呼吸を観察したのだが、息を吐き、そして吸いながら吐くという状態だった。これは一体どうなってるんだ?と思う。意識が落ちる。また明鏡止水状態で意識が起きる。数分しか経ってないないだろうと思ったら3時間も経っていて、(そんなこと子供の時以来!)次はグループ瞑想の時間だったのでマネージャーが呼びに来てびっくりした。ご飯を食べ損ねてしまったし急いでグループ瞑想に向かい、明鏡止水は終わった。
その後もその時の呼吸は再現できない。どうやって吸いながら吐くんだ。
不眠だったのに、4日目から寝れるようになってきて、寝れない時寝るコツもわかってきた。寝ながらこの瞑想してれば寝れる。そうしなくても、もうしっかり寝れるようになっていた。


・10日目
数日ごとに新しい課題が追加され、そのときは無理と思ってもちゃんと瞑想を行っているとレベルアップしできるようになってくる。


あとは修行あるのみ、修行あるのみだ。
頑張ろう、と思う。


10日目には聖なる沈黙が解禁される。
ずっとコミュニケーションをとらずにすごしてきた他人とのコミュニケーションやおしゃべりが解放され、新しい生徒とおしゃべりを楽しんだ。
いろんな人が来ていて、やっぱり千葉なので東京の人が多いようだった。


10日じゃ全然マスターできなかったな。(できると思ってた)


最後に今まで言われていたけどわからなかった、体を流れる微細な感覚を感じることができた。
おおっ、流れた!!流れを感じた!これかー!
できなかったことが徐々にできて喜びを感じる。
しかし朝から頑張りすぎて午後にはもう集中力がなくなっていた。


自分はコミュニケーションに問題ありなのだが、そこに対する解決策も浮かんでくる。無理して振る舞うと体が熱くなる、静かな自分のままで良い、無理して反応したり、笑ったりしなくて良い、静かで良い。
自分にコミュニケーションで起きる反応も観察できるようになった。


・最後の日
最後の講話があり、また新しい瞑想を教えられた。
外に敵はいない、みんな、仲間なのだ。

許し、許しを乞う。


自分の心と外の世界に平穏や安心、善意や感謝、思いやりを育む瞑想だった。
講話の詳細は忘れてしまったが…


これをヴィパッサナー瞑想の後、毎日起きた時と寝る前5分、やりなさいと告げられる。


本当に最後の最後の講話、瞑想が非常によかった。
面白く、暖かさに溢れる内容だった。


泣いた。
救われた感じがする。
このために修行を頑張ってきたような感じがあった。


他の人に話を聞くと、10日目までここにはもう来ないだろうとおもってたけど最後の講話で気が変わった、また来ようと思った、と言う人もいた。


合宿を終えて、一緒にやった人たちはみんなまた来たいと思っているようだった。
もちろん私も。


ヴィパッサナー瞑想が気になる人は
ぜひ行ってみて、そして必ず最後まで全て終了してほしい。
ただし、12日間、最後の最後まで、やりとげないとプラスにはならないだろう。

 

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